5S活動の進め方!5S活動の「コミュニケーションとチームワーク」
コミュニケーションスキルはノンテクニカルスキルの全体に関係します。5S活動のコミュニケーションとチームワークにも緊急事態と同様に次の三項目が要求されます。
1)チームメンバーどうしで情報交換するスキル
2)チーム全員が共通の認識をもって活動するスキル
3)みんなで協力するスキル
<事例>
職場単位でグループを作り5S活動を推進している組織において、メンバーの中で最年長のAさんがリーダーをしている5Sグループでは、長年技能者として勤務していたチームメンバーのBさんのところには仕事の依頼が多く、全員で進めていた「仕事を見直しやり方を改善する」という改善時間もとれていませんでした。
やがて、Bさんは「仕事が忙しく5S活動をやる時間がない」と主張しはじめ、5S活動に対して非協力的になりチームワークを乱していました。
Aさんは何回かBさんを注意しましたがBさんの態度はいっこうに改善されません。さらに、他のメンバーも、先輩のBさんに対しては声をかけにくかったようです。したがって、全員一丸となって活発な5S活動をやるという方針からはほど遠い状況になっています。
※ノンテクニカルスキルの問題点
コミュニケーションはAさん、Bさん、他のチームメンバーの三者が存在しますが、他のチームメンバーはBさんに対して声をかけにくい雰囲気があります。このことが、全員一丸となって結束することの障害になっています。
※コミュニケーションとチームワークの流れ ・・・上記の事例の場合
1)チームメンバーで情報交換していますか?
事例のようにチームワークが破綻するような行動は、コミュニケーションが不足している証拠です。
2)チーム全員が共通の認識をもって活動していますか?
正しい状況認識をしてチームメンバーとのコミュニケーションにより共通の認識のもとに意思決定がなされる。
3)みんなで協力していますか?
自分だけが状況を理解していない場合や、チームメンバーの誰かが状況を理解していない場合は、チームワークは壊れてしまいます。
<ノンテクニカルスキルを学ぶ>
1.緊急時のコミュニケーションの重要性は良く理解できますが、平常時に正確なコミュニケーションが迅速にできることが基本です。
2.チームメンバーが協力して正しい意思決定や状況認識を実施するためには、チームメンバーとのコミュニケーションが不可欠です。上司や先輩との権威勾配に逆らって意見具申することは難しいことですが、権威勾配に逆らって意見を言うことは重要なこととされています。権威勾配は、きつい勾配、適切な勾配、フラットの三つに分けられますが、フラットという勾配がない状況のもとでは規律を維持することが難しくなります。また、上記の事例のようにきつい勾配においても良好な意見の疎通ができません。チームメンバーと力を合わせて成果を上げるためには適切な勾配があります。